更新日: 2024年03月16日

一足早い春を感じる「特急ひたち92号」の旅

偕楽園の梅の見頃に合わせ、仙台駅から運転される「特急ひたち92号」。この列車、実は一風変わった運転をしています。
実際に乗車し、確かめてみました。
(本記事は、2022年3月から「常磐線の___!|JOBANSEN KNOW」WEBサイトにて公開していたものをサイト閉鎖のため再編集の上で移植公開しています。内容等は掲載当時の情報となりますのでご注意ください)

2022年2月某日。筆者は仙台駅に降り立ちました。
目的はこの列車。
仙台駅のひたち92号表示
特急ひたち92号水戸行き。
偕楽園の梅が見頃ということで運転されている臨時列車ですが、この列車、只者ではありません。
こちらをご覧ください。
ひたち92号時刻表
出展:デジタルJR時刻表
なんとこの列車、仙台から水戸に向かい、偕楽園に止まった後に水戸に戻るのです。
(水戸→偕楽園→水戸は快速として運転)
仙台発水戸経由水戸行き。これは気にならないはずがありません。
ということで乗ってきました。

仙台駅では現在、常磐線全線運転再開2周年にあたり水戸駅とメッセージ交換企画を実施しているそうです。
中央改札前に、水戸で働く社員からのメッセージが掲出されています!
仙台駅常磐線全線再開2周年メッセージ
また、5,6番線へ向かう階段には常磐線が大きく取り上げられています!
仙台駅常磐線看板
乗車前に行先表示を撮影。考えてみると特急列車で水戸行きというのはレアですよね。
ひたち92号行先表示
仙台駅を発車した列車は一路水戸を目指し、南下していきます。
途中の岩沼駅では社員の皆さんによるお見送りも!
ひたち92号岩沼駅お見送り
乗車した日は快晴で、車窓に広がる美しい風景を満喫することができました。
(写真は新地駅付近)
常磐線車窓(新地付近)
列車は浪江駅を通過し、2020年に運転再開した区間に入っていきます。
筆者は運転再開前から年に1-2回程度この地域を訪れているのですが、まだまだ震災の爪痕が残る家々や田畑の風景がある一方で、徐々に新たな街づくりが進む場所もあり、来るたびに考えさせられるものがあります。
(写真は夜ノ森〜富岡間)
常磐線車窓(夜ノ森~富岡間)
余談ですが、このひたち92号、今回は「水戸偕楽園号」と名付けられています。
前回ひたち92号が運転されたのは2021年10月でしたが、その際は「赤色ふわもこコキア号」と銘打ち、仙台から勝田まで運転されました。
列車の運転で花の見頃を感じるというのも良いのかもしれませんね。

そんなことを考えているうちに列車はいわき駅に到着。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、いわき駅は「LED職人」がいらっしゃる駅です。
今回も素晴らしい表示でございました。
いわき駅LED表示
いわきを出発した列車は湯本・泉に停車し、次の停車駅は勝田。
日立駅を含め、日立市内に全く停まらないひたち号というのもなかなかにレアですね。
常磐線車窓(日立駅)
伝わりにくいですが日立駅通過中の写真です。

列車は定刻通り水戸に到着。水戸からは快速偕楽園行きとして運転します。
水戸駅LED表示
列車は一旦偕楽園駅を通過。
常磐線車窓(偕楽園通過)
偕楽園行きの列車で偕楽園を通過しています。書いていてよくわからなくなってきました。
偕楽園駅は梅の見頃の時期のみ営業する臨時駅となっており、現在は下り線のみにホームが設置されています。過去には上り線にもホームがあった時期もあったそうです。

列車は赤塚駅に向かい、下り線に渡って偕楽園駅を目指して引き返します。
座席を回転することもなくバックで進んでいきます。
久しぶりに列車が後ろに進む感覚を味わいました。某路線で車掌をしていた時以来かもしれません。

12時27分、列車は定刻通り偕楽園駅に到着。仙台から3時間51分の旅でした。
皆さんもぜひ常磐線で、一足早い春を感じてみてください!
偕楽園の梅
筆者が訪れたタイミングは一足早い春よりももう一足早かったようでした…。
(2022年2月26日撮影)


(掲載の内容は2022年2月現在の情報です)

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